No.2 前立腺ガン治療に関する本
前立腺ガンの統計
前立腺ガンは、欧米では男性ガン死亡者の約20%を
占める頻度の高いガンですが、わが国では約3.5%
と比較的頻度の少ないガンです。
しかし、食事の欧米化および高齢化社会に伴い、そ
の頻度は増加傾向にあり、泌尿器科領域におけるガ
ンでは、わが国においても最も多いガンです。
10万人あたりの男性が1年間に前立腺ガンにかかる
人数は、全年齢をあわせると10人程度です。
しかし、年齢別にみますと45歳以下の男性ではまれ
ですが、50歳以後は加齢とともに対数的にその頻度
は増加し、70歳代では約100人、80歳以上では200人
を超えるほどになります。このように、前立腺ガンは
高齢者のガンであるといえます。
症状
前立腺が尿道を囲むように存在しているため、前立腺
ガンが発生するとその増殖により尿道が圧迫され
てさまざまな症状がみられるようになります。
症状としては、排尿困難(尿が出にくい)、頻尿
(尿の回数が多い)、残尿感(排尿後、尿が残った
感じがする)、夜間多尿、尿意切迫(尿意を感じる
とトイレに行くまでに排尿を我慢できない状態)、
下腹部不快感などがあげられます。
ガンの大きさが尿道を圧迫するほど増大していなけれ
ば、無症状のことが多くあります。ガンが尿道を強く
圧迫するようになると排尿困難が悪化し、尿が出なく
なる状態
(尿閉)となってしまいます。
ガンが尿道または隣接する膀胱内に進展した時は、
その部位より出血し、肉眼的血尿がみられることが
あります。
膀胱にガンが進むと、膀胱刺激症状が強くなり尿失
禁状態になります。また、尿管が閉塞状態になると
腎臓でつくられた尿が膀胱まで流れず、腎臓にたま
って水腎症になり背部痛がみられることもあります。
また、前立腺ガンは進行するとリンパ節や骨に転移
しやすいため、それに伴った症状がみられるように
なります。
体表に存在するリンパ節に転移した場合には、その
部位の腫脹(しゅちょう)や疼痛がみられます。
骨に転移した場合には、その部位の痛みを生じるこ
とがあり、転移部位の骨が弱くなった時は、骨折す
ることもあります。
骨転移しやすい部位は骨盤骨と腰椎、胸椎があげら
れます。
骨転移が広範囲に拡がると、骨髄から血液を造るこ
とが困難となるため貧血になり、さらに進行すると
血液の中の止血する成分が不足して、消化管出血な
どが生じることがあります。
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